2018年03月27日

『友罪』お薦め映画

★★★★ 2018年製作 日 (129 min)
【監督】瀬々敬久(64 ロクヨン 前編、感染列島、RUSH ラッシュ、8年越しの花嫁 キセキの実話)
【出演者】
生田斗真(脳男、先生! 、、、好きになってもいいですか?、予告犯、僕等がいた)
瑛太(サマータイムマシン・ブルース、嫌われ松子の一生、まほろ駅前多田便利軒、ワイルド7)
夏帆(天然コケッコー、うた魂♪、海街diary、きな子 見習い警察犬の物語)
山本美月、富田靖子、佐藤浩市、忍成修吾
【あらすじ】町工場で働くことになった、元週刊誌記者の男・益田と、同い歳の無口な男・鈴木は、同じ寮で暮らし少しずつ親しくなっていった。 ある事件をきっかけに益田は、17年前の連続児童殺人事件の犯人“少年A”が鈴木ではないかと疑い始める一方で、中学時代に自らが犯した罪を思い起こす…。 ヒューマン・サスペンス。 ≪心を許した友は、あの少年Aだった。≫
原作:薬丸岳

→『友罪』象のロケット
→『友罪』作品を観た感想TB

画像Copyright:(C)薬丸岳/集英社 (c)2018映画「友罪」製作委員会

yuuzai1.jpg 【解説と感想】たとえ法に触れなくても、罪(過失を含む)を犯したことのない人はいない。自分や家族の罪(道徳的罪であっても)には厳しく向き合うべきだが、他人の罪にはある程度、寛容にならなければいけないと思う。しかし何でも検索出来てしまう昨今では、マスコミやネットでの「社会的制裁」がどんどん大きくなっている。そういうことを仕事にしている人だって、清廉潔白ではないはずなのだが…。

yuuzai2.jpg 本作は、かつて「罪」を犯した人のその後を描いたストーリーで、少し前に公開になった「羊の木」と対になっているような作品だ。話が進むにつれ、誰もが1997年に起こった神戸連続児童殺傷事件の衝撃を思い起こすだろうが、これはあくまでもフィクションである。主人公・益田純一(生田斗真)は生活に困窮し、寮のある工場で働くことになった。一緒に入社したのが同い年の鈴木秀人(瑛太)。ところが、ひょんなことから益田は、鈴木が17年前の連続児童殺人事件の犯人“少年A(本名:青柳健太郎)”ではないかと疑い始めた。

yuuzai3.jpg 「暗い過去」を持つ者が多数登場する。益田自身は、中学時代に同級生を救えなかったことに負い目を感じている。鈴木と親しくなる女性・藤沢美代子(夏帆)と、少年Aの矯正担当だった白石弥生(富田靖子)にも、悔やまれる過去がある。タクシー運転手の山内修司(佐藤浩市)は、息子(石田法嗣)の罪を背負っている。そうは言っても、少年Aの罪と彼らが抱える罪では比較にならない。登場人物たちが時折見せる爽やかな笑顔や、和ませるエピソードが、重いストーリーを多少なりとも軽減させている。

yuuzai4.jpg 鈴木は意外と人懐っこく、結構いい奴のようにも思える。彼の内面について詳しく描かれていないから、彼がもし少年Aだった場合の「罪の意識」がどれほどのものかを知ることは出来ない。少年Aこと青柳は、医療少年院出所後も身元がバレないよう当局に厳重に保護されていたらしい。二度と同様の事件を起こさぬよう見守り、社会復帰を応援するためにあるのが少年院や少年法だからである。被害者家族が彼を許すはずはないが、周囲の思惑とは関係なく、既に彼は一般人として社会生活を送っている。あなたも私も殺人の加害者になる確率は低いが、多数いるであろう「元少年A」と偶然関わることはあるかもしれない。

yuuzai5.jpg メインは鈴木が果たして「少年A」なのかを巡る物語だが、私が心引かれたのはタクシー運転手一家の話だ。運転手・山内の息子は、過失事故で子ども2人の命を奪った。山内は嫌がられながらも被害者遺族への見舞いと送金を欠かさない。ところが、加害者である息子自身は結婚しようとしていて、山内にはそれが許せない。自分も息子も一生幸せになってはいけないと戒める父親と、償いは続けるが自分だって幸せになりたいと願う息子、理解ある息子の結婚相手、心の中では息子の幸せを願う母親(西田尚美)。あなたは誰に共感するだろう。自分の罪を償うということと、加害者の未来について考えさせられる問題作。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)


 
posted by 象のロケット at 12:16| Comment(0) | 超お薦め映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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