【出演者】
ルネ・パーペ(ワーグナー ≪トリスタンとイゾルデ≫ 新演出 METライブビューイング ヴェルディ ≪マクベス≫ METライブビューイング)
マルクス・ヴェルバ
キャスリン・ルイック
ゴルダ・シュルツ、チャールズ・カストロノヴォ、クリスチャン・ヴァン・ホーン
【あらすじ】 王子タミーノは、夜の女王から悪魔ザラストロにさらわれた娘パミーナを助け出すよう頼まれる。 パミーナの肖像画を見て一目惚れしたタミーノは、女王から「魔法の笛」をもらい、鳥刺しのパパゲーノと共に救出に向かう。 しかし、実はザラストロは「光の世界」を支配する徳の高い人物だった…。 METライブビューイング2017-2018シーズン第2作。 MET2017年10月14日公演のスクリーン上映。 ドイツ語(日本語字幕付き)。
指揮:ジェイムズ・レヴァイン 演出:ジュリー・テイモア
→『モーツァルト ≪魔笛≫ METライブビューイング』象のロケット
→『モーツァルト ≪魔笛≫ METライブビューイング』作品を観た感想TB
画像Copyright:(C)Richard Termine/Marty Sohl/Ken Howard/Cory Weaver/Metropolitan Opera All rights reserved.

王子タミーノは、夜の女王から悪魔ザラストロにさらわれた娘パミーナを助け出すよう頼まれる。パミーナの肖像画を見せられて一目惚れしたタミーノは、女王から「魔法の笛」をもらい、ノー天気な鳥刺しの男パパゲーノをお供に救出に向かう。しかし、実はザラストロは「光の世界」を支配する有徳者だった。パミーナと結ばれるために、タミーノは数々の試練を受けるのである。この試練が、「自由・平等・寛容」を標榜する団体「フリーメイソン」の奥義と関係があるのかもしれない。


一方、鳥刺し(鳥捕獲業者)のパパゲーノ(マルクス・ヴェルバ:バリトン)は道化役。「俺は鳥刺し」と歌うアリアはユーモラスで、場の雰囲気が一気に和む。浅知恵のパパゲーノと彼の花嫁候補パパゲーナとのやり取りは可笑しくて、笑いどころだ。彼の存在感も大きくて、もう一人の主役と言えるだろう。
一応、舞台は古代エジプトらしいが無国籍風。遠い国から来たタミーノの衣装はモンゴルの騎馬民族風で、彼が大蛇に襲われる場面は中国の京劇のよう。
親離れの時期が来た世間知らずの王女と、旅に出て真の強さと徳を身に着ける王子の冒険ラブ・ストーリー。お薦め作品だ。
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)