2014年12月17日

『百円の恋』お薦め映画

★★★★★ 2014年製作 日 (113 min)
【監督】武正晴(イン・ザ・ヒーロー)
【出演者】安藤サクラ(0.5ミリ、かぞくのくに、今日子と修一の場合、愛のむきだし)
新井浩文(青い春、近キョリ恋愛、血と骨、BOX 袴田事件 命とは)
稲川実代子(ハラがコレなんで)
根岸季衣、早織、宇野祥平、坂田聡
【あらすじ】32歳の斎藤一子は働きもせず実家に引きこもってゲーム三昧の毎日を送っていた。 ある日、離婚して実家に戻っていた妹・二三子と大ゲンカになり、一子がアパートで独り暮らしをすることに。 行きつけの100円ショップで深夜のアルバイトを始めた一子は、近くのボクシングジムで練習する中年男・狩野からデートに誘われる。 なぜ自分を誘ったのかと聞くと、情けない返事が返ってきた…。 ラブ・ストーリー。

脚本:足立紳(第一回松田優作賞作品) 主題歌:クリープハイプ『百八円の恋』

『百円の恋』象のロケット
『百円の恋』作品を観た感想TB

画像(C)2014東映ビデオ

100yen1.jpg 【解説と感想】女優・安藤サクラは、素顔はおしとやかなお嬢さんかもしれないのに、映画の中では図々しくて品のない女を演じることが多い。もちろん演技であることは分かっているが、イヤ〜な女や変な女が、妙に似合っている。脱ぎっぷりもいい。女優イメージを全然気にしないのかなと、前々から気になっていた。少し前の「0.5ミリ」も良かったが、今作では更にパワーアップしている。

本作の主人公・一子(安藤サクラ)は、実家の弁当屋を手伝いもせず、タバコをフカしながらゲーム三昧。ボサボサ頭の、だらしないグータラ娘である。出戻りの妹(早織)とケンカして家を出ることになり、彼女は32歳で初めての一人暮らしをすることになった。

余談だが、年頃の娘や息子を早く結婚させたいなら、一度一人暮らしを経験させると良いのだという。一人ぼっちの寂しさや不経済さが身に染みて、真剣に結婚を考えるらしい。厳しい門限もないし、友人も招きやすく、異性との付き合いも進展しやすいのだとか。

100yen2.JPG 一子の場合も、全くその手順通りにコトは進む。まずは家賃を払わねばならないから、一子は行きつけの100円ショップでアルバイトを始める。面接も採用も簡単すぎて笑ってしまう。そして、徒歩圏内のアパートと職場の間で(たぶん彼氏いない歴32年の彼女が)、これまた簡単に男を見つけてしまう。相手は中年ボクサーの狩野(新井浩文)で、100円ショップの常連。狩野が一子をデートに誘った理由は「断られなさそう」だったから。お手軽な百円の恋は、こうして始まった。

高嶺の花の美人より十人並みの女の方がモテるという。一子は同僚のオッサンにも言い寄られる。相手も別に一子じゃなくてもいいけれど、落としやすそうだから誘ったというのがアリアリ。一子はスキだらけで、敷居が低そうに見えるのである。

100yen3.JPG 勤務先では「他に働く奴はいくらでもいる。」というようなことを言われ、男からも「女なら誰でもいい」みたいな、残念な扱いをされている一子だが、後半、アッと驚く変身を遂げる。今まで何一つ頑張ったことがなかったのに、恋より夢中になれるものを見つけるのである。男にもしがみつかなかった一子が、それには食らいついて食らいついて離れない。

いやはや、驚いたのなんの! 映画の中の一子にも、そして演じている安藤サクラにも、私は感動してしまった。そりゃー、そのトシでそんなことそこまでやらなくてもと思うけれど、ボロボロになっても立ち上がる姿は、見苦しくて美しくて可愛らしい。自他共に認めるサエない女の価値もグーンとアップ! なりふり構わず頑張る一子を、ぜひ映画館で応援して欲しい。トコトン闘う女のドラマ。お薦め作品だ。

(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)


 
posted by 象のロケット at 12:37| Comment(2) | TrackBack(8) | 超お薦め映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBありがとうございます。
安藤サクラの体当たり演技がよかったですね。
ダラけた体型が、次第に引き締まっていくのは彼女のトレーニングの成果なのでしょう。
ボロボロになっても立ち上がる姿にはちょっと涙が出ました。
Posted by ミス・マープル at 2015年10月16日 17:30
TBありがとうございます。
「ロッキー」みたいなボクシング映画が、まさかの安藤サクラ主演で!
という奇跡の映画だと思いました。
Posted by 埋草四郎 at 2015年12月04日 22:28
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