【監督】松井久子
【出演者】エミリー・モーティマー、中村獅童、原田美枝子、竹下景子、柏原崇、勅使川原三郎、吉行和子
【あらすじ】1901年、アメリカ・フィラデルフィアの名門女子大を卒業したレオニー・ギルモアは、ニューヨークに滞在中の日本人詩人ヨネ・ノグチ(野口米次郎)の編集者となる。 ヨネの詩や小説は一躍米英文壇の脚光を浴びるが、彼は自分の子を妊娠したレオニーを残して日本へ帰国。 レオニーは3歳になった息子を連れ日本を訪れるが、既にヨネには正式な妻がいた…。 彫刻家イサム・ノグチの母の生涯。
原案:ドウス昌代「イサム・ノグチ〜宿命の越境者」
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画像(C)レオニーパートナーズ合同会社 All rights reserved.
本作も有名人の家族の実話で、主人公は世界的デザイナー、イサム・ノグチの母レオニー・ギルモア(エミリー・モーティマー)。アメリカ滞在中の日本人詩人ヨネ・ノグチこと野口米次郎(中村獅童)と恋に落ちるが、彼は妊娠した彼女を残して帰国してしまう。日米関係悪化のためとは言え、その捨て方はかなり非情だ。彼女は実家へ戻り、周りの冷たい視線を浴びながら混血の息子イサムを育てる。
もうそれっきりかと思ったが、ヨネは3歳になったイサムとレオニーを日本に呼び寄せる。ところが、はるばるやって来たというのに、ヨネの様子はどうもおかしい。かなり裕福な家の子息らしいヨネは、最初から外国人女性を正式な妻にする気などなかったのだろう。彼は既に別の女性と結婚しており、レオニーはいわゆる妾の扱いを受けることになる。誇り高き彼女はヨネと別れ、苦難の道を歩む。ろくに言葉も通じない日本で、仕事をし、子育てをし、女性としてもアッと驚くことをやってのける。英語教師の口がないかと、アメリカで知り合った津田塾大創設者・津田梅子(原田美枝子)を訪ねた時、進歩的であるはずの梅子からさえ、「あなたのような生き方は、まだ今の日本社会では受け入れられ難い。」と断られてしまったほどだ。
彼女を朝ドラの主人公にしたら面白いのにと最初は思ったが、さわやかな朝のホームドラマに仕立てるのは少々難しいかもしれない。
エミリー・モーティマーが愛らしさを失わず、真っすぐに生きるアメリカ女性を好演。中村獅童も身勝手な日本人インテリ役が板についていた。レオニーとは逆パターンの、日本に帰化した外国人作家ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の日本人妻セツ(竹下景子)を、対照的な人生を送った友人として登場させたのもよかった。
アメリカの名門女子大生だった頃のレオニーは「平凡な人生はつまらない」と思っていた。だが、やがて「平凡」であることがいかに大変で難しく、そして素晴らしいことであるかを知るのである。隣の芝生は青い。自分は平凡な人生を送っていると思っている方は、その幸せを噛みしめて欲しい。困難でも妥協せず自分流にという方は彼女の生き方を参考にして欲しい。明治の外国人女性の一代記。お薦め作品だ。
なお、本作は東京国際映画祭(10月23日〜31日)でも上映される。
http://www.tiff-jp.net/ja/
(象のロケット 映画・ビデオ部 並木)



TBしていただき、ありがとうございます。
こちらを拝見して、こういうお仕事があることを
初めて知りました。
そして、映画を丁寧にご覧になっておられて
参考になりました。
次は、どんな映画がとりあげられるのかな
と興味がわきました。